今回は、数あるシーバスゲームポイントの中でもメジャーと言える「河口部」でシーバスを狙うときに意識しておきたいことをまとめていきます。河口部と聞くと、いとも簡単にシーバスが釣れる・・・そんなイメージをお持ちの方も多いとは思いますが、実は河口部こそ長年の経験による知識の蓄積と、どのような状況にも対応できる純応力が釣果を分ける鍵となるため、河口部でシーバスを狙うときに意識しておくべき点を考慮し、コンスタントに釣果を挙げることができる状況下を自ら作り上げることで、安定した釣果を得ることができるでしょう。
河口でシーバスを狙うときに意識しておきたいポイント
河口においてシーバスを狙うときは、何も考えず、ただひたすら巻いてくる・・・という考え方では、上手く行かないことのほうが多いです。もちろん、シーバスが兇猛となりベイトフィッシュに襲いかかっているような高活性の状況下であれば、ただルアーを巻いてくるだけで思い描いていた以上の釣果を得ることもできますが、基本的な考え方としては「自分なりの戦略を持ち、その戦略に従い釣りを展開する」ことが、河口シーバスゲームを制するために必要な要素となってきます。
では、河口部でシーバスを狙うときは、どのような点を意識すれば良いのか?
・ベイトフィッシュの有無
・上げ潮か下げ潮か
・時間帯を意識する
・河口で釣れる時期
・釣れる河口の見分け方
・河口部での釣り方
・シーバスが居着く場所を知る
河口部でシーバスゲームを楽しむときは、上記7つの点を意識しておくことで、より良い釣果を得ることができる可能性が高くなるでしょう。では、この7つそれぞれを詳しくまとめていきたいと思います。
兎にも角にも「ベイトフィッシュ」の有無が大事
シーバスがなぜ河口に集まってくるのか?その理由を一言でまとめると「餌となるベイトフィッシュがそこにいるから」他なりません。つまり、シーバスは餌を食べるために河口部へやってくるため、極端に言うと、ベイトフィッシュ数=集まるシーバスの数となる訳です。そのため、河口部でシーバスゲームを楽しむときは、兎にも角にも「ベイトフィッシュの数」が釣果を分ける大事な鍵となります。
例えば、小鮎であったり子ボラであったり、種類問わず餌となるベイトフィッシュが沢山いる場所であればシーバスの寄りが多くなりますが、経験上「イワシ」と「バチ」の数が多い河口では、シーバスの魚影も濃い傾向にあると考えているため、イワシやバチが湧いている河口部に釣行することで、より良い思いができることは間違いないでしょう。
間違っても、「ベイトフィッシュが少ない河口部」に釣行することは避け、できる限りベイトフィッシュの数が多い河口を目指し、釣行場所をセレクトすることをおすすめします。
上げ潮、下げ潮、どちらが釣れる?
河口シーバスゲームを語るときにしばしば論議に上がるのが「河口は上げ潮が良いのか?それとも下げ潮が良いのか?」という点。上げ潮とは上流に向かい潮が流れている状況を指し、下げ潮とは下流に向かい潮が流れている状況を指す言葉ですが、極端な話をすると、上げ潮であっても下げ潮であっても、ベイトフィッシュが豊富な場所であれば問題なくシーバスを釣ることは可能です。
上げ潮に乗り沖にいたシーバスが遡上するタイミングを狙ったり、下げ潮に乗り流れてくるベイトフィッシュを捕食しているシーバスを狙ったり、上げ潮には上げ潮の狙い方、下げ潮には下げ潮の狙い方があるため、その点さえ踏まえておけば、どちらの潮でもシーバスを釣ることができます。
ただし、上げ潮か下げ潮、どちらが釣れやすいのか?となると、これまでの経験上「下げ潮のほうが釣れる確率は高い」と言わざるを得ないほど、下げ潮に軍配が上がっているため、どちらかと言うと下げ潮狙いで河口部へ釣行することがおすすめです。
というのも、下げ潮では上流にいたベイトフィッシュが海に向かい流れ落ちてくるのですが、この落ちてくるベイトフィッシュを待ち構えるようにシーバスが河口部へ居着いているため、ルアーを流れてくるベイトフィッシュのように操作することで、いとも簡単に釣果を上げることができるのです。
もちろん、シーバスが捕食しているベイトフィッシュの大きさなどにルアーを合わせるマッチザベイトの考え方を拭うことが大事ですが、河口シーバスゲームでは、上げ潮よりも下げ潮のほうが難易度が低いと言えるため、まずは下げ潮から狙ってみることをおすすめします。
河口でシーバスゲームを楽しむ時間帯
河口部でシーバスを狙うに適した時間帯ですが、基本的には「夜のほうが釣れやすい」と考えておくほうが無難です。もちろん、昼の明るい時間帯であっても狙うことは可能ですが、明るい時間帯は思いの他ルアーを見切られてしまう要素が多くなるため、より視認性が悪くなる夜のほうが、口を使わせやすいのは事実です。
また、他の釣り同様「まずめ」の時間帯は、河口シーバスゲームのゴールデンタイムとも言えるため、朝夕いずれかのまずめを絡める釣行スケジュールを組み込むことをおすすめします。
河口でシーバスが釣れる時期
一方、河口でシーバスを狙うことができる時期ですが、ハイシーズンと言えるのはやはり「秋」の季節です。秋はシーバスが好んで捕食するベイトフィッシュ(イワシなど)が河口部に集まりやすいため、それに伴い河口部には沢山のシーバスがやってきます。また、秋は数釣りはもちろんのこと、80cmを超えるランカーシーバスの釣果も増えるため、サイズ狙いの人は秋時期に河口部へ足を運ぶほうが良いでしょう。
次いで狙うべき時期は「春」の季節であり、この時期は所謂「バチ抜け」が本格化するため、バチが抜ける場所で、バチを模したルアーを使うことで、思いもよらぬほどの爆釣劇を味わえることも。ちなみにバチ抜けとは、普段は底にいるバチ(イソメなど)が産卵のため海面付近に姿を見せることで、この水面に浮いたバチをシーバスが偏食することから、非常に釣れやすい時期とされています。
▼バチ抜けにおすすめルアー
ちなみに、夏や冬の時期も釣れないことはないですが、やはり秋や春に比べると釣果が落ちる傾向にあるため、敢えて時期を絞るとなると、秋か春の時期に河口部へ足を運ぶことがおすすめです。
▼合わせて読みたい
・シーバスを狙う時期を考える
どんな河口でも良い分けじゃない?シーバスが釣れる河口の見分け方
河口はシーバスゲームの好ポイント!とは言っても、どのような河口でも大丈夫という訳ではありません。前述した通り、ベイトフィッシュの入りが悪い河口はシーバスの魚影も少ないですし、シーバスがまともに居着くこともできないほど水深の浅い場所も、不向きな河口だと言わざるを得ないでしょう。
では、どのような河口がシーバスゲームに適しているのか?という点ですが、まず第一に考えておくべき点が「ベイトフィッシュの入り」で、次いで考えておくべきが「シーバスが居着くかどうか」です。ベイトフィッシュは前述した通りの内容ですが、上げ潮で入ってきたシーバスが、下げ潮で沖に出てしまうような河口では、安定した釣果を得ることが難しくなるため、程よい水深があり、シーバスが居着くべきポイントがある河口に絞り釣行することで、より無駄のない釣りを展開することができるでしょう。
例えば、人工的に整備された護岸有りの河口なんかは最適ですね。足場が良いですし、場所によっては常夜灯による明暗ができ、狙うべきポイントが増える。また、橋脚などシーバスが着くポイントが明確になる場所も多いため、より手返し良く釣果を伸ばしていくことが可能です。
河口部での釣り方は基本的に「ドリフト」がメイン
シーバスゲームでは、ミノーやバイブレーションを使った「巻きの釣り」のイメージが根強いですが、河口での釣りはこのような巻きの釣りではなく、ルアーを流す「ドリフト」の釣りがメインとなります。極端に言うと、ドリフトができなければ河口部でシーバスを釣ることが難しくなるため、必ず会得しておきたいテクニックです。
具体的に言うと、シンキングペンシルやフローティングミノーなどを上流にキャストし、流れにルアーを乗せ、文字通り「流し」ます。流れの速さを考慮したスローなリトリーブで糸ふけを取り、ルアーが反転する場所(Uの字で反転する場所)が猛烈なアピール力を持ち、この時点でのバイトが一番多くなるため、U字ができる場所をバイトポイントとなることを意識しながらドリフトさせることが、釣果を伸ばす鍵となります。
文字で見ると難しく見えますし、実践するのも少々難しいテクニックとなりますが、ドリフトを会得できるかどうかが、シーバスをコンスタントに釣れるかどうかを左右するほど大事な要素となるため、練習に練習を重ね、必ず習得しておくことをおすすめします。
使うルアーはシンキングペンシルが全レンジを補え最もドリフトに適していますが、最初の内から水に沈むルアーを使うことは難易度が高いため、最初の頃はフローティングミノーなどを使い、ドリフトでシーバスを釣る経験を積んでいくほうが良いですね。
▼ドリフト練習に最適なルアー
河口で狙うべきポイントは「シーバスが居着く場所」
広大な河口になるほどシーバスの付き場を特定することが難しくなりますが、シーバスはその習性から「何かしらの変化に潜んでいる」ことが多いため、無闇矢鱈にキャストを続けるのではなく、シーバスがいるポイントへピンでルアーを届けることが大事な要素となってきます。
具体的に言うと、「橋脚」「ブレイクライン」「流れのヨレ」このような場所に定位し、流れてくるベイトフィッシュを捕食していることが多いため、例を挙げると【橋脚の裏に隠れているシーバスに向け、上流からルアーを橋脚に流し込む】などの方法を取り、シーバスの目の前にルアーを通してやることで、ガツン!とHITすることが多いです。
河口でのシーバスゲームは考えることも多いですが、反面物にすることさえできれば数、型ともにでやすいフィールドであることは間違いのない事実であるため、目ぼしい河口に通い込み、その場所の特性を掴むことで、より良い釣果を得ることができるでしょう。